Being on the Road! Going our way! 世界一周 〜夫婦で地球を巡る旅〜
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【No.22】トロナドール山の氷河 


目的・きっかけ
準備
トレッキングへ!


目的・きっかけ

僕達のルートではパタゴニア地域最後となる最大級の氷河が、トロナドール山を中心にアルゼンチン、チリ両国側に横たわっています。
これを見逃すわけにはいきません。
準備

【1】.情報収集
ロンリープラネット Trekking in the PATAGONIAN ANDES版、各人のHP、CABオフィスから得た情報
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【2】.トレッキングコースの選定

僕たちは氷河をじっくり見たかったのでパンパリンダからOtto Meilingのみのトレイルを歩きました。

<国立公園入場料>
1人30 A$
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【3】.装備の準備と調達

バーナーの燃料用で自動車用ガソリンを650mlボトル1本分。(実際に入れてる燃料は590mlです。)
予備を含め、トータルで1L持って行きましたが、元々ボトルに入っていたガソリンでこのトレッキング中の 調理はまかなえました。

※トレッキング装備以外の荷物は、バリローチェで泊まった宿で預かって頂きました。  

 以下は、持ち物の情報です。
りゅうじ
▼装備として
ザック、Hobo前掛けバッグ(ザックのフロント部に装着できるバック。ザックを下ろさないで地図やカメラ、おかしなどを取り出せるので便利)、寝袋×2、エアーマット×1、シルバーマット、調理用バーナー、ホワイトガソリン、コッフェル、マグカップ、アーミーナイフ、 マッチ、ライター

▼身に着けるものとして
トレッキングシューズ、ビーチサンダル、帽子(つばつきとニット帽)、サングラス、レインウェア上下、速乾性下着上下、厚手靴下、 コンパス、公園内地図、ヘッドライト及び予備電池

▼その他
食料(昼・夜)、ノート、筆記用具、ロンリープラネット、貴重品


重量測定なし 推定20kg以下。
ひろこ
▼装備として
ザック、エアーマット×1、マグカップ

▼身に着けるものとして
トレッキングシューズ、泥除けガーター、ビーチサンダル、帽子(つばつきとニット帽)、サングラス、レインウェア上下、速乾性下着上下、厚手靴下、 コンパス付きホイッスル、公園内地図、ヘッドライト及び予備電池

▼その他
食料(朝)、行動食、トイレットペーパ、ノート、筆記用具、貴重品、洗濯ばさみとロープ、釣り用バケツ、 デジカメ、ケア用品、虫除けスプレー、救急セット


重量測定なし 推定10kgくらい。

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【4】.その他情報

■アクセス

<行き>
CAB(クラブ・アンディーノ・バリローチェ)前よりトレイルヘッドとなるパンパリンダまで毎日8:30(片道2.5時間)にバスが出ています。
尚、バスのチケットはCABオフィスで手配可能です。料金は片道40 A$。

<帰り>
パンパリンダより16:30発バリローチェ戻りのバスがありました。
チケットはパンパリンダのレストラン兼売店で取り扱っていました。

■テントサイトについて
僕たちはOtto Mellingに泊まりましたが無料でした。
その他、60人収容できるrefugioもありますが1泊1人当たり40 A$だったかと思います。

■水場
・パンパリンダからDesvio Glaciar C Overaあたりまでは何本か小川があります。
・森林限界を抜けてから1時間くらいのところにも雪渓が溶けた沢がありましたが、 下山時には沢がなくなっていました。
・Otto MellingのRefugioの外に設置してある水道、Refugioより少し上に歩いて 行ったところにも氷河や雪渓からの沢が流れていました。

■トレイル状況
迷う箇所、滑落するような箇所はなし。
登山者用トレイルとマウンテンバイク用トレイルが交差しているので、登山者用を歩くとだいぶ時間が短縮できます。

■日没時間
パイネと同じ位です。今の時期(1月上旬)であれば、夜20時過ぎまでライトなしで歩けます。

※参考までに日没表を下記に掲載します。
CONAF(CORPORACION NACIONAL FORESTAL)発行パイネ国立公園マップの付加情報より抜粋して転記。

DATE 日の出 日没
1月20日 5:52 21:44
2月20日 6:48 20:52
3月20日 7:38 19:50
4月20日 8:29 18:42
9月20日 7:32 19:31
10月20日 6:24 20:21
11月20日 5:29 21:17
12月20日 5:15 21:55




■地図
ロンプラの地図とCABでもらった地図で対応しました。

■アウトドア用品の調達
バリローチェの町には数店舗アウトドア店がありました。(品揃え未確認)

■トレッキング用の食材調達


■行動食の内容
チョコレート100g、アーモンド300g、飴25ヶ

■準備した食料
米1.2kg(夕食と兼用)、スープの素、りんご×4個 クラッカー 210g×3袋、Dulce de leche(キャラメルがペースト状になったもの。アルゼンチン及びチリではどこでも売ってます)50g、ハチミツ500g 米1.2kg(朝食と兼用)、缶詰め200g×4、しょうゆ150ml、チキンスープ2袋
その他:
ワイン1,200ml、チーズ200g

■食事の内容
DAY おやつ
1日目 - クラッカー+ハチミツ、紅茶 シーチキンご飯、チキンスープ ココア、ワイン、チーズ、チョコレート
2日目 スープご飯、ココア クラッカー+ハチミツ、紅茶、りんご シーチキンご飯、チキンスープ ワイン、チーズ、チョコレート、アーモンド
3日目 ご飯、缶詰め、ココア クラッカー+ハチミツ、紅茶、りんご - -
計7食


トレッキングへ!

■1月10日 快晴 バリローチェCAB前オフィス→パンパ・リンダ 所要時間2時間30分 移動距離88km
歩いた区間:パンパ・リンダ〜Otto Meiling Refugio 歩行時間5時間15分(内45分は昼食休憩)歩行距離約18km

りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

朝8:30、CAB前オフィスから発車するトレイルヘッドへの入口となるパンパ・リンダ行きのバスに乗り込む。

ここ、バリローチェは山と湖に囲まれたアルゼンチン側パタゴニアの玄関口でもあり、一大リゾートでもある。
当然ながら、今が夏にあたるこの時期は観光客が増える。その中には日本人も多くいるハズなのに、 なぜか、個人で行くトレッカーはほどんと見ない。大半はツアーを使ってメインの見所を周るのだろうか?などと 物思いに耽っていると、11:00位にパンパ・リンダに到着した。

pampa.jpg(18724 byte) ← パンパ・リンダから見たトロナドール山。標高1,800m付近からは氷河に覆われている。

もう昼食時だが、インフォメーション・オフィスに入山届けを出して、すぐにトレッキングを開始するこにした。
トレイルヘッド付近はバスから降りたばかりの人たちや、トレッキングを終えてトロナドール山から戻ってきた人たちで ごった返していたからである。

早速、トレイルに入って行くと、狼みたいな野良犬が僕たちの後を付けてきた。トレッキングをしていると 野良犬がどことなく現れ付いてくることはよくあることだが、放っておくとどこかに行ってしまうのが 相場だ。歩き始めて30分経過した頃、川原に出た。僕たちはここで昼食を取ることにした。が、ワンコロも 一緒に座り込むではないか!餌が欲しいのだろう。仕方がないので余ったクラッカーを数枚与えたら大喜びで食べているでは ないか。先が思いやられそうだ。

perro.jpg(25544 byte) ←トレイルに入って後を付けてくる犬。

案の条、昼食後もワンコロは後を付けてきた。 が、どうやらこのワンコロ、このトレイルを何度も歩いたことがあるらしくショートカットに先導してくれたりする。 森林限界を抜けるまでは特に風景に大きな変化もなくだらだらと登りが続くだけである。これはどこの山を歩いても同じだ。 僕たちは植生の変化に興味はあっても植物自体に興味がないので、目の前にハッキリと変化が現れる壮大な風景がないと、 森林地帯では毎回、退屈な思いをする。その点、今回はワンコロがいるので退屈さは緩和された。

gra.jpg(20252 byte) ←時折、見える壮大な風景。これが見え始めたら足取りも速くなった。

15:00頃、退屈なトラバースを終えてついに尾根に出た。もう森林限界は近い。
この時点で標高1,500m。フエゴ島のウシュアイアでは標高500mも上がれば森林限界だった。随分と北上してきたものだ。
ここで小休憩を取っていると、またしてもワンコロが一緒に休み始めるではないか。いつしか僕たちはワンコロを 「Perro」(スペイン語で犬という意味)と呼ぶようになっていた。

forest.jpg(19135 byte) ←尾根に出たところ。あとは真っ直ぐにトロナドール山に向かうのみ。

perro2.jpg(28139 byte) ←一緒に休憩をするPerro。

森林限界を抜けるとトロナドール山にかかる氷河がいかに巨大なのかを目の当たりにした。
パイネのGray氷河やフィッツロイ、そしてセロ・カスティージョのダイナミックな氷河も凄かったが 山を覆う氷河としては、今回のはトップクラスの大きさだ。

gra2.jpg(19051 byte) ←トロナドール山の氷河とひろぴん。

氷河を目前に、尾根づたいに切り拓かれたホーストレッキング用のトレイルと、 時折、現れる尾根の山腹を走るトレッカー用のショートカット・トレイルとを交互に歩いくと、 1つのザレ場の丘が現れた。もう森林限界を抜け切った証拠だ。僕たちはここを難なくクリアして暫くの間、 尾根から少し下、つまり山腹を沿うように氷河を斜め向かいに見ながら東方面に進路を進める。
また、丘が現れた。その丘からは氷河や万年雪から成る沢が流れており、ほとんどのトレッカ−はそこで 水を調達していた。僕たちも休憩がてらに水を調達する。連れのPerroも喉が渇いていたのか、 沢の水をペチャペチャ舐めている。

再び出発。今まで歩いてきたように山腹に向かって歩き始める。トレイルらしいコースが残っていたからだ。 が、辿り着いた場所は絶壁だった。目の前にはドドーン!と迫力ある氷河が立ちははかだっている。

gra3.jpg(21622 byte) ←トレイルはなかったが、目の前にはこんな光景が。

ちょっとだけ、丘の方に登って周囲の様子を見てみることにした。どうやら丘の上に目印らしき棒が立っているようだ。 とりあえず、あそこの目印を目指すことにした。ザレた斜面をルートファインディングで慎重に進みつつ、目印の棒の前に辿り着いた。 そこから下を見下ろすと、本物の正規トレイルとは逆の方から登ってしまったことが判明した。

landmark.jpg(14264 byte) ←目印となる棒に辿り着いたところ。

更にトロナドール山へ続く斜面の方に目をやると、遠方に山小屋らしきところが見えた。 おそらく、あそこがOtto Meiling Refugioだろう。時間にしてここから20分くらいだろうか。

refugio.jpg(18578 byte) ←雪渓と岩の境目辺りがOtto Meiling Refugioです。

17:15、これから2泊するテントサイトに到着した。

otto.jpg(19931 byte) ←山の方にはRefugio(60人収容可能なそう)と雪渓が。

gra4.jpg(15325 byte) ←テントサイトの横には氷河が。

perro3.jpg(22988 byte) ←お疲れモードのPerro。
■1月11日 快晴 Otto Meiling Refugioのテントサイトに連泊。 周囲の氷河を見るために散歩2時間くらい。 

りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

今日も快晴だ。歩くのもいいけど、フィッツロイのトレッキング以来1箇所でじっくり景色を堪能することを味わってからは、 景色を観るために停滞するのもありだと考えるようになった。今日はパタゴニアに入って以来、2回目の景色堪能日だ。

朝、8:45から周囲の氷河を見るために散歩に出かける。
例のごとく、Perroも僕たちの後を追ってくる。

perro4.jpg(24492 byte) ←氷河をバックにPerroと。

氷河の脇には万年雪が横たわっている。そこからは雪解け水が沢となって無数の沢が下流に向かって川を形成している。 何て素晴らしい世界なのか!これだから氷河があるトレッキングは面白いのだ。

gra5.jpg(12861 byte) ←雪渓の散歩がてらに休憩中。後方に見えるのがトロナドール山だ。

Perroは雪が大好きなのか、斜面を駆け上っては全速力で下ってきて僕たちに飛びついてくる。何とも幸せなヤツだ。 犬は首輪を付けて飼うものだという常識が日本ではまかり通っているが、ここパタゴニアでは放し飼いが常識だ。Perroは更に パートナーを自ら決定するという権限まで持っている。

perro5.jpg(14900 byte) ←僕を案内するかのように先に斜面を歩くPerro。

ひろぴんは、ここで風景をゆっくり堪能したいから休憩すると言う。
僕は更に上の丘まで登ってみることにした。Perroも体を動かしたいのか一緒に付いてくる。

そこから更にゆっくりと30〜40分ほど歩いていくと、雪面に凹凸が現れ始めた。もしや、この辺りは足場が悪くなってきているのでは? と思い始めた頃、雪面に亀裂を発見した。そ〜っと亀裂を覗いてみると、深さ5〜6mはあろうかクレバスとなっている。 自分が雪渓だと思って歩いていた場所は分厚い氷河だったわけである。亀裂は氷山の一角で崩れて落ちたら、まず自力で 脱出するのは不可能だろう。下手をすれば命だって落としかねない。いくら雪国育ちで冬にはウインタースポーツに 勤しんでいた経験があったとしても、こればかりは未知なる世界だ。これ以上先に行くには雪に対する十分な装備もないしスキルが足りない。 例え安全そうに見えてもそれ以上先に行くのはよそう。周囲には更に上まで歩いて行った人たちの足跡があったが、 彼らは団体で装備をハイヤーし経験豊富なガイドを付けて行ったのだ。

cre.jpg(12694 byte) ←雪面に発見した亀裂。深かった。

もう、ここで休憩しよう。ポケットに忍び込ませたリンゴを雪で洗い、ガブリ!とかじりついた。 快晴の中、ずっと斜面を上ってきたので喉が渇いていた。絶景の中これほどおいしいリンゴを食べれるのは幸せだ。

apple.jpg(12403 byte) ←おいしいそう♪

ここを最後にテントサイトへ引き返した。この日も1日中、天候が安定してくれた。


■1月12日 くもり Otto Meiling Refugio〜パンパリンダ >歩行時間3時間 歩行距離 18km

りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

今日は朝から生憎の雲り空。とはいっても雲はかなりの高度にあり雨の心配は無用だった。 テントを撤収して、Perroを伴ってパンパリンダまで戻った。

godown.jpg(24187 byte) ←下山途中、Perroと。

beer.jpg(18676 byte) ←下山後パンパリンダでビールを飲む僕。
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