Being on the Road! Going our way! 世界一周 〜夫婦で地球を巡る旅〜
トップ自己紹介 | 旅のきっかけ | 旅の準備 | 旅写真
旅の出費 | 各国の物価表 | アクティビティ | 旅の軌跡とルート | リンク集

【No.12】アフリカ一峻険な山・ケニア山登山


きっかけ
準備
トレッキングへ!


きっかけ

この旅に出る前、アフリカではキリマンジャロに登ろう!と思っていました。

しかし、実際に情報収集をしてみるとキリマンジャロは登山費用が高いこと・ガイドやポーターなしでは 入山できないこと・一番簡単なマランガ・ルートにおいては富士山のような登山コースで風景もケニア山と比較して単調で あることが判明しました。

それならば、高山植物も氷河も豊富に見られるケニア山の方がいいのではないか? ガイドやポーターも任意で雇えるし入山料もキリマンジャロよりだいぶ安いし、総費用にしても2人で500 USドル で収まるし。そんなことでケニア山に登頂することにしたのです。
準備

【1】情報収集
地球の歩き方のケニア山のコピー(3ページしかなく使えない)・ロンリープラネット東アフリカ編のケニア国立公園の記事・ 各人のHP等。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
【2】トレッキングコースの選定
ケニア山のレナナ峰には、北(シリモンルート)・東(チョゴリアルート)・西方面(ナロモルルート)からアクセスする方法があります。
僕達はその中でも一番距離は短く標高を一気に稼げるナロモルルート を使いました。とは言っても国立公園の入口からレナナ峰を往復すると54kmの行程になります。

<入山料>
ケニア山は国立公園に指定されており入山料がかかります。 最初の3日間は70USドル、以降1日ごとに20USドルかかります。
僕達は4日間国立公園に入って いたので2人分で180USドルかかりました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
【3】ガイドやポーターの有無の決定
今回はエベレスト街道よりもトレッキング期間や標高の面で難易度こそ低いものの、 初心者の方も一緒でしたのでガイド兼ポーターを使いました。結果的に湿地帯は迷いやすいので助かりました。 料金は1日1,800ksh。交渉して1,650kshでまとましました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
【4】装備の準備と調達
寝袋の下に敷くマットをタンザニアのモシの登山装備レンタル屋から購入しました。 中古ですが、サーマレスのフルタイプ。
他、バーナーの燃料用で自動車用ガソリンを650mlボトル分と予備1L。

※トレッキング装備以外の荷物は、妻友人宅で預かって戴きました。  

 以下は、持ち物の情報です。
りゅうじ
・ザック(mon-bell製のZERO POINT EXPEDITION 65L)
・テント(mon-bell製の3シーズン対応のやつ)
・ダウンジャケット(ナロモルの町でレンタル)
・レインウェア(mon-bellのGOA-TEX製ストーム・クルーザ)
・ソフトシェル(偽ブランドのMarmot製→カトマンズのタメル地区で購入した)
・ネルシャツ×1
・帽子×2(ニット帽、ツバ付き)
・サングラス
・手袋(毛糸製で冬の町で使うようなやつ)
・ズボン×3(チノパン、カーゴパンツ)
・短パン×1 ・速乾性下着上下×3(半袖シャツ×2、長袖シャツ×1、パンツ×4、厚手靴下×4)
・トレッキングシューズ(SaromonのGOA-TEX製)
・ビーチサンダル(休憩用に)
・寝袋×2(mon-bell製 ダウンハガー#3×2)
・マット(サーマレス製)
・ヘッドライト(petzel製)
・ペンライト(無名)
・ヘッドライト電池予備
・バーナー(MSR製のDragonFly)
・バーナー燃料(ガソリン1L)
・コッフェル(Snowpeak製の1.5L&1Lの鍋)
・水入れ(platypusの2L)
・水筒(カラビナ付きアルミ製の1L)
・5万分の1地図
・コンパス
・ロウソク、マッチ、ライター
・夕食用食料3人分
・行動食
・トイレットペーパ
・洗濯バサミ
・デジカメ
・本、ノート、ペン
・貴重品

以上21kg
ひろこ
・ザック(MILLETの 55/65L)
・ダウンジャケット(ナロモルの町でレンタル)
・レインウェア(Mizunoの上下セット)
・ソフトシェル(偽ブランドのMarmot製→カトマンズのタメル地区で購入した)
・フリース(NORTHFACE製)
・帽子×2(ニット帽、ツバ付き)
・サングラス
・ズボン×2(脱着式で短パンにできるやつと、チノパン系)
・上下速乾性下着(半袖シャツ×2、長袖シャツ×2、パンツ×3、靴下×4)
・トレッキングシューズ(GOA-TEX)
・ビーチサンダル(休憩用に)
・マット
・ヘッドライト×1(Prius製)
・ヘッドライト予備電池
・バンドエイドセット
・朝食3人分
・行動食
・水殺菌剤
・貴重品
・石鹸
・その他ケア用品
・トイレットペーパ


以上12kg


■ガイド兼ポーターに持ってもらったもの
昼食3人分×4日分、登山メンバーの荷物(コッフェル、食器類、バーナー、燃料なども含む)

■上記でレンタルしたものの内訳
ダウンジャケット×2 150ksh×4日間×2人分=1200kSh(約2,100円)

■行動食の内容
スニッカーズ3袋
キャラメル3袋


トレッキングへ!

■9月2日 快晴 ナイロビ(1,800m) 〜 ナロモル(2,000m) 車で移動 所要時間3h 移動距離180km
りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

朝9;00、ナイロビ市内を出発。12:00頃、ナロモルのMt.View Hotelに到着する。
ここに来たのは人伝にガイドやポーターを斡旋できることを聞いてたからだ。

<料金>
ポーター800ksh/日
ガイド1,200ksh/日
ガイド兼ポーターorガイド兼コックは1,800ksh/日
ガイド兼ポーター兼コックは2,400ksh/日

この日はガイド兼ポーターを1日当たり1,650kshでつけて、ダウンジャケットをレンタルをしただけであった。
ここのホテルの宿泊代は1部屋500kshだった。

←ナロモルの町から見たケニア山。翌日からは天候に恵まれた。


■9月3日 快晴 ナロモル(2,000m) 〜 国立公園入口前(2,400m) 〜 メッツステーション(3,050m)  所要時間3h 歩行距離9km
りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

朝9:30、Mt.Viewホテルを出発。
1,200kshでチャーターしたマタトゥで国立公園入口まで約15kmの未舗装道路を揺られて行く。

入山料を支払い10:30に公園入口からトレッキングを開始。 僕の荷物は21kg。ひろぴんの荷物は12kg。いずれもエベレスト街道のトレッキング時より重い。 今回は自炊が基本なので食料も食器も燃料も持ち歩いている。更にテントまでザックに入れて いるので重くなるのは当然。

林道を歩くこと3時間、13:30にメッツステーション(3,050m)に到着する。

←こんな林道が公園入口からメッツステーションまで続いています。

到着後、食事をとってからいつものごとく高度順化のための軽トレッキングへ1.5時間ほどかけて出かけました。
この日の軽トレッキング標高は3,150mまでの標高差100mのみ。

僕達が泊まったメッツステーションのロッジは貸切でした。料金は1人1泊840ksh。

mets.jpg(28843 byte) ←赤道直下とあって標高3,000mを越えても緑が覆い茂っています。

■9月4日 快晴 メッツステーション(3,050m) 〜 マッキンダーズキャンプ(4,300m)  所要時間6.5h 歩行距離14km
りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

朝5:30起床。身支度や朝食を済ませ7:10に出発。
この日は標高差1,300m近くを一気に稼ぐ。高山病がちょっと心配だがスローペースで水分を適度に 摂取しながら登れば問題ないだろう。

ケニア山は固有種の植物が生息することで知られる。 森林限界点を抜けるまでの間にみたこともない植物が姿を現し、単調な森林帯トレッキングを 楽しませてくれた。

←標高3,100m付近に生息している花。

歩くこと3時間、森林帯を抜け展望が良い湿地帯に出る。
標高3,300m〜3,700m付近はの濃霧帯でよく降雨がありその辺りが湿地帯に相当する。
確かに足元はグチャグチャだし、乾燥した土がなかった。

wet.jpg(29924 byte) ←標高3,500m付近。展望が開けサボテンみたいな植物が現れる。

標高を上げるにつれ高山植物の植生が変わりっていった。 標高4.000mを越えた辺りから空模様が怪しくなってきた。
正確に言うと、雲の中に向かって歩いていた。典型的な午後の天候だ。雲が掛かり始めているだ。
更に歩くこと3時間半。雨に降られることもなく、13:40にマッキンダーズキャンプ(標高4,300m)へ到着。


mackinders.jpg(29807 byte) ←下界は快晴。午後の山は天候が変わりやすい。

マッキンダーズへ到着後、高度順化のための軽トレッキングを開始。
翌日は早いので、30分ほどで切り上げた。

mackinders.jpg(29252 byte) ←高度順化をしている様子。マッキンダーズキャンプ周辺(標高4,350m)。

僕達はマッキンダーズキャンプのロッジに宿泊することになった。結局、持ってきたテントは使用せず・・。 メッツステーションは貸切だったが、マッキンダーズはドミトリ式の部屋に20ベッドくらいの部屋が3つあり、 その中の1室で寝ることになった。料金は1人1泊1,040ksh。高い! 一応、水場はあるので自炊には困りません。

■9月5日 快晴 マッキンダーズキャンプ(4,300m) 〜 レナナ峰(4,985m) 〜 メッツステーション(3,050m)  所要時間14h 歩行距離22km
りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好〜メッツステーションでダウン

朝2:00。同室のヨーロピアン・トレッカー達10人程が軍隊のように起きだす。 一斉にヘッドライトを点灯し、自分の身の回り品を迅速に片付けていく。作業スピードに無駄がない。 ヘッドライトのみの明かりを頼りに狭いベッドの上で、皆が揃って準備を出来るのはなかなかできるものではない。

僕達は2:15に起きる。

最初にやったことは、バーナーのプリヒート。
僕の使っているバーナーはMSR社のドラゴンフライ。ガソリンからディーゼル、灯油などなど液体燃料なら ほぼ何でもいける万能タイプである。液体燃料は世界中どこでも入手できるので楽だ。

バーナーの燃焼は、ボトル内に入っている空気を加圧し、圧縮された空気と一緒に燃料が噴射燃焼する仕組みである。 噴射燃焼するには、液体燃料が気化しなければならない。プリヒートは燃料が気化するのに必要な余熱を与えるためにするのである。 正確に言うと燃料の噴射口付近に液体燃料を少しだけ噴射させておき、それに引火させてプリヒートをする。 今回使っている燃料は自動車用のガソリン。引火点が低いので寒冷地帯ではとても使い易い。 これがディーゼルだとなかなか引火しなくて苦労する。おまけに引火したらススが大量に発生してメンテナンスが大変だ。

旅に出る前から絶対にこのタイプのバーナーは入手しておこうと決めていた。 今、とても重宝している。多少高価だが入手してきて本当に良かった。 北米や南米のアウトドアが盛んな場所では安価で入手できるようだが、僕はドラゴンフライを 東京・御茶ノ水のL-Brethで19,800円で購入した。もうひとつMSR社の同タイプバーナーでインターナショナル(14,800円) があるが、こちらは火力の調整ができないタイプである。今はドラゴンフライのみが値上がりして、定価が24,000円くらいに なっている。

プリヒートの後にやったことは、飲料水を凍らせないために沸騰させること。
エベレスト街道トレッキングではバッグに入れていた水が10分も経たないうちに凍り始めて飲めなかった ので、今回はお湯を持っていくことにしたのだ。3人分のお湯3Lと出発前のお茶用のお湯を沸かした。

お湯を沸かしている間に、自分の寝袋や衣類をザックに収納した。
メインザックはレナナ峰アタック後、再びピックアップして下山時に背負っていく。 アタック用に準備した荷物は、カメラ・軽食・お湯・ヘッドライト・ちょっとした防寒具のみだった。

お茶を飲み、乾パンを軽く食べ3:00に出発。
いよいよレナナ峰アタックの日が来た。天候に振られ、体調を崩しなかなかタイミングが合わなかったアッタク。
外は想像以上に暖かい。やはり赤道直下だから? 聞くところによるとこの時期でも頂上付近は夜になると氷点下10℃くらいになるとの話を聞いた。 ここで誤った判断をしてしまった。
「下山の時、手荷物が増えるからダウンジャケットは持ってかなくてもいいや〜。外も思ったより温かいし。」
僕の着用している服は3枚だけだった。長袖T-シャツ、ソフトシェル、レインウェア。
ひろぴんは4枚。長袖T-シャツの上にフリースを着手いる以外は僕と同じスタイルだ。 ウェイナは5枚。

標高4,700mの稜線に出るまでは身体を動かしていて風も吹き付けないからそれでも十分に対応できていた。

朝、5:30頃、ついに稜線に出る。オースリアンハット山小屋付近には人が集まっていた。
眼下には赤く染まりかけた雲海が広がっている。何て幻想的な風景なのだろうか。

mtkenyasunrise.jpg(28426 byte) ←眼下にも頭上にも雲海が。その間からは太陽が昇ろうとしている。(標高4,700mにて撮影)

これが単独峰の醍醐味ってやつだ。最高に素晴らしい風景だ。
遠くにはキリマンジャロが聳え立っているのが目視確認できる。 ケニア山から直線距離で400km以上離れているだろう。

kiliman.jpg(27935 byte) ←写真中央にうっすらと見えるのがキリマンジャロ(5,895m)である。

ここからさらに標高差300m近くを登ってレナナ峰に立つことになる。
岩山を登り始めると左手にはバチカン峰が、右手には雲海が広がる。

bachikan.jpg(27454 byte) ←標高5,199mのバチカン峰。ロッククライミング装備がないと登れません。

突風が容赦なく吹き付けてくる。鼻水が出る。 寒い・・・。失敗した。ダウンジャケットを持って来るべきだった。
寒過ぎてどうしょもない。朝焼けが素晴らし過ぎて手が凍えるのも忘れて写真を撮り続けた。
素晴らしさと写真の枚数は比例する。どんなに辛くても素晴らしい風景には勝てない。
写真を撮るために動き回る。ここは標高5,000m近い。息が上がる。動き過ぎたのか、 軽い頭痛症状が起きた。酸欠というやつだ。

前方ではガイドのニコラス・ひろぴん・ウェイナが岩場を着実に登っている。

iwanobori.jpg(30586 byte) ←ガイドにサポートを受けながらレナナ峰登頂を目指すひろぴんとウェイナ。

朝7:00、ついにレナナ峰へ登頂!
僕はあまり感動しなかった。寧ろ朝焼けの方が感動した。

summitmtkenya.jpg(28943 byte) ←ついにレナナ峰(4,985m)に登頂!

ひろぴんも友人と登頂できたことを喜んでいるようだ。

今回は2人とも高山病の症状がほどんと出なかった。
要因として考えられることは、アップダウンがほどんとなかったこと・同標高でも赤道直下であるためエベレスト街道よりも 気温が高いこと・以前のトレッキングで高地に対する免疫力がついたことなどが考えられる。

7:30下山開始。
10:15マッキンダーズキャンプ着。軽く食事をとり11:15再び下山開始。 16:30頃メッツステーション着。

■9月6日 快晴 メッツステーション(3,050m) 〜 ゲート(2,600m)  所要時間2.75h 歩行距離9km
りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

朝、6:00起床。朝食をとり7:45よりゲートを目指し下山開始。
特に何事もなく、10:30頃、ゲート到着。そこから車で一路、ナイロビへ。14:00前、ナイロビ着。


アクティビティ一覧に戻る

Copyright ©2007-2009 世界一周〜夫婦で地球を巡る旅〜 All Rights Reserved.

inserted by FC2 system