Being on the Road! Going our way! 世界一周 〜夫婦で地球を巡る旅〜
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【No.20】セロ・カスティージョ国立保護区 トレッキング


目的・きっかけ
準備
トレッキングへ!


目的・きっかけ

パイネとフィッツロイですっかり「氷河・湖・山」の景色に魅せられてしまった私達。
次の目的地を定めるにあたって、やはりこの3セットは外せないだろうということで、ロンプラの地図を見比べつつ選んだのが
ここCerro Castillo国立保護区。

更にこのトレイルには「峠」があるというのも決定打になりました。
ウシュアイアPaso de la Ovejaの峠も、パイネの峠も雪で越えることができず悔しい思いが残っていたので、ここで再度「峠」にチャレンジすることに。

準備

【1】.情報収集
ロンリープラネット Trekking in the PATAGONIAN ANDES版、各人のHP、Coyhaique(ロンプラでは「コイアイケ」と読むとありましたが、現地の人は「コジャイケ」と言ってました。)のツーリスト・インフォメーション・センター及び CoyhaiqueのCONAFオフィス(Corporacion Nacional Forestal:チリ全土の国立公園・保護区を管理する森林局)。

*ツーリスト・インフォメーション・センターはCoyhaiqueの広場近くのBulnes通り沿いにあります。

*CONAFはAvda.Ogana沿い住所1060。町役場のような建物の2F。ここで地図をもらえます。トレッキングについての質問や相談もできますが、なんだか的外れな答えばかりでした。
CONAFのサイトはこちら→
Cerro Castilloの位置はこちら→
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【2】.トレッキングコースの選定
ロンプラに紹介されている正規ルートを3泊4日の日程で行くことに。
しかし、結局3日目ロンプラのAlternativeルートを通って帰ってきました。 詳しいことは下記にて。

<国立保護区入場料>
入場料は不要。
*ロンプラにはCONAFでルート・日程表を提出するようにと書かれていましたが、私達はうっかり忘れてトレッキングへ行ってしまいました。
しかし、CONAFを訪れて色々と質問をした際に職員は全くそのことに触れていなかったので、そのへんは結構アバウトなのかもしれません。

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【3】.装備の準備と調達
バーナーの燃料用で自動車用ガソリンを650mlボトル1本分。(実際に入れてる燃料は590mlです。) 予備を含め、トータルで1L持って行きましたが、元々ボトルに入っていたガソリンでこのトレッキング中の 調理はまかなえました。

※トレッキング装備以外の荷物は、セントロで泊まった宿で預かって頂きました。  

 以下は、持ち物の情報です。
りゅうじ
▼装備として
ザック、Hobo前掛けバッグ(ザックのフロント部に装着できるバック。ザックを下ろさないで地図やカメラ、おかしなどを取り出せるので便利)、寝袋×2、エアーマット×1、シルバーマット、調理用バーナー、ホワイトガソリン、コッフェル、マグカップ、アーミーナイフ、 マッチ、ライター

▼身に着けるものとして
トレッキングシューズ、ビーチサンダル、帽子(つばつきとニット帽)、サングラス、レインウェア上下、速乾性下着上下、厚手靴下、 コンパス、公園内地図、ヘッドライト及び予備電池

▼その他
食料(昼・夜)、ノート、筆記用具、ロンリープラネット、貴重品


重量測定なし 推定20kg以下。
ひろこ
▼装備として
ザック、エアーマット×1、マグカップ

▼身に着けるものとして
トレッキングシューズ、泥除けガーター、ビーチサンダル、帽子(つばつきとニット帽)、サングラス、レインウェア上下、速乾性下着上下、厚手靴下、 コンパス付きホイッスル、公園内地図、ヘッドライト及び予備電池

▼その他
食料(朝)、行動食、トイレットペーパ、ノート、筆記用具、貴重品、洗濯ばさみとロープ、釣り用バケツ、 デジカメ、ケア用品、虫除けスプレー、救急セット


重量測定なし 推定10kgくらい。

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【4】.その他情報

■アクセス

Coyhaiqueのバスターミナル(Lautaro通りとMagallanes通りが交差するあたり)よりバスがでています。

<行き>
Villa cerro castillo(セロ・カスティージョ村)までのチケットを購入し、乗車日当日にトレイルヘッドとなる「Las Horquetas Grandes」で降りたい旨をドライバーに伝える。
*ちなみに私達が利用したバス会社「BUSES SAO PAULO」は火・水・木・土・日の週5便の運行。朝9時半出発。
運賃:4,500チリ・ペソ

<帰り>
Cochrane〜Coyhaique間の定期バスが毎日走っており、午後3時半位にセロ・カスティージョ村を通るそう。
私達はたまたま通りかかったCoyhaique行ツーリストバスの席が空いていたので乗せてもらいました。ラッキー!
運賃:3,500チリ・ペソ。
*ヒッチハイクも可。しかし車通りは多くないので気長に待つつもりで。

■テントサイトについて
全て無料です。
○ロンプラには書かれていない保護区内に入ってすぐのテントサイト。
水場は近くにあったのか確認できなかったのですが、ここにはトイレ、焚き火用かまど、テーブル、ベンチ有り。

○Rio Turbioテントサイト
水場、ぼっとんトイレ、焚き火用かまど、テーブル、ベンチ有り。

○El Bosqueテントサイト
水場、ぼっとんトイレ、焚き火用かまど、テーブル、ベンチ有り。
*El bosque手前の木立にもキャンプの跡地発見。

○ロンプラに2泊目として紹介されているセロ・カスティージョ・チコを過ぎてすぐのテントサイト(CONAFの地図にはこの場所は記載されていない)
水場のみ。

○ロンプラにあるLaguna Cerro castillo付近のテントサイトは発見できず。(CONAFの地図にはこの場所は記載されていない)
水場のみ。

*ここから先のテントサイトについては実際自分の目で確認していないので、コメントは控えます。
しかし、この保護区内はどこでもテントを張ってもいいのか、色んな場所で焚き火後を見かけました。


■水場
トレイルヘッド〜保護区に入る前:lima川沿いを付かず離れず歩くので水場には困りませんが、牛や野ウサギが多かったので直接飲むのは控えました。

保護区に入って〜Rio Turbioテントサイト:lima川の水が飲めます。

Rio Turbioテントサイト〜El bosqueテントサイト:ここも川沿いもしくは雪渓の水が近くにあるので水場には困らず。直接飲用しました。

El bosqueテントサイト〜Laguna cerro castillo:川沿い、湖沿いなので問題なし。

Laguna cerro castillo〜Alternativeルート:かなり下まで行かないとまともな水場はありません。


■トレイル状況

1日目(トレイルヘッド〜保護区に入る前)▼
4WDが通れる道なのでそこまでアップダウンもなく楽。ひたすら4WDロードを進むので迷うこともないでしょう。
保護区手前で4WDロードが大きく2手に分かれますが、左矢印の看板通り左に進むとすぐに保護区入口となります。
但、やっかいなのが3度の川渡りと木製のゲート越え。川は靴を脱いでサンダルに履き替えないと渡れない深さです。
又、ゲートに関しては今の時期だけなのかもしれませんが鍵が掛かっているので、よじ登って行かないと先に進めません。

(保護区に入って〜Rio Turbioテントサイト)
リマ川の開けた川原にでるまで車の通れる道。川原にでたら一番大きなリマ川支流を辿っていけばすぐにRio Turbioテントサイトです。

2日目(Rio Turbioテントサイト〜El bosqueテントサイト)▼
今の時期(12月中旬)は日本ならば軽アイゼン装着のことと言われそうな長くて厚い雪渓が峠に残ってます。
木や石に目印があったり、ケルンもあるので特に迷うような場所はありません。雪渓を越えてから足場の崩れやすい大中小様々な石が入り混じった 下りとなります。斜度もかなりあります。

3日目(El bosqueテントサイト〜Laguna cerro castillo)▼
ここもケルン、目印があり、難しい場所はありません。手すりなしの丸太橋渡りがありますが、これも気をつけていれば問題なし。
絶景が続くポイントです。

(Laguna cerro castillo〜Alternativeルート)
本当に分かりにくいです。CONAFの地図にはこのAlternativeルートは記載されていません。
ロンプラではモロ・ロッホ山を登ってから下るように書かれていますが、チリ人の持っていた地図ではモロロッホ山を大きく迂回して崖を
「く」の字を書くように下っていくような感じで記載されていました。石のケルンもあったのですが、そのケルンは2箇所に積み上げられていて、
そこから跡形もなく消えてしまいました。ここを通るのであれば方位磁石は必携です。

■日没時間
パイネと同じ位です。今の時期(12月中旬)であれば、夜21時過ぎてもライトなしで歩けます。

※参考までに日没表を下記に掲載します。
CONAF(CORPORACION NACIONAL FORESTAL)発行パイネ国立公園マップの付加情報より抜粋して転記。

DATE 日の出 日没
1月20日 5:52 21:44
2月20日 6:48 20:52
3月20日 7:38 19:50
4月20日 8:29 18:42
9月20日 7:32 19:31
10月20日 6:24 20:21
11月20日 5:29 21:17
12月20日 5:15 21:55


■国立公園の地図


■地図
私達は特に地図は買っていません。ロンプラとCONAFでもらった地図で対応しました。CONAFの地図は等高線が見づらいですが、要所要所の写真があるので助かります。
それにしてもロンプラ、CONAF地図、トレッキング2日目で世間話をしたチリ人トレッカーから見せてもらった地図…と3枚が3枚とも微妙にトレイル、キャンプ地が違うのにはびっくり。
どれを信用してよいのやら?結局ロンプラもCONAFの地図もあまり当てにならなかったというのがトレッキングを終えての私達の感想です。

conafmap.jpg(23448 byte) ←CONAFでもらえる地図。

■アウトドア用品の調達
品揃えは未確認ですが、CoyhaiqueのHorn通りでNORTH FACEのSHOPを一軒見かけました。

■トレッキング用の食材調達
メイン通りArturo Pratから東の方角へ入ったLautaro通りに2軒大きなスーパーが競い合うように隣合ってます。
物資は豊富です。

■行動食の内容
板チョコレート2枚350g、クッキー1袋

■準備した食料
フレーク系のオートミール500g×1袋、ピーナッツ200g×2袋 クラッカー 210g×4袋、パン2ヶ、Dulce de leche(キャラメルがペースト状になったもの。アルゼンチン及びチリではどこでも売ってます) 400g×1ヶ パスタ400g×2袋と500g×1袋、パスタソース200g×4袋、粉チーズ120g、ゆかり。お米約500g 即席スープの素20g×3ヶ
その他嗜好品:
コーヒー約200g、紅茶Tバック約30袋、ミロ約450g、砂糖300g、粉ミルク約400g。

その他:
ミネラルウォーター1600ml、ゆで卵4つ

■食事の内容
DAY おやつ
1日目 - パン&Doluce de leche、ゆで卵3つ、チョコ4カケ トマト&ケチャップ混ぜパスタ、即席スープ、おじや 記録なし
2日目 オートミール+ピーナッツ+砂糖をミックスさせたもの クラッカー&Doluce de leche ミートソースパスタ、スープ 記録なし
3日目 オートミール+ピーナッツ+砂糖をミックスさせたもの クラッカー&Doluce de leche ミートソースパスタ、スープ 記録なし
4日目 ゆかりご飯 - - -
計9食


トレッキングへ!

■12月14日 快晴 Coyhaiqueバスターミナル→Las Horquetas 所要時間1時間15分 移動距離75km
歩いた区間はLas Horquetas〜Upper Rio Turbioテントサイト 歩行時間5時間半 歩行距離約15.3km
(CONAF地図による。ロンプラだと18km歩いていることに)

りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

朝9時半発のバスに2人とも意気揚々と乗り込む。
バスはチャリダーやバイク乗りの人にはとても有名なアウストラル街道を走っていく。途中チャリダーを4・5人見かけた。

確かにこの風景の中、風を切って自転車を走らせるのはとても気持ちがいいだろうな。自転車旅は既存の交通網を使わないから、きっと出会う人も景色もそこで得る経験も、いわゆるバックパッカーの旅とは 違ったものになるんだろうな。私達もトレッキングばかりしているので、きっとパタゴニアの印象は「街歩き」をメインにしている旅人とは全然違ったものになるんだろう。などと思いながら車窓を眺めていたら、あっという間にトレイルヘッドとなるLas Horquetasに到着した。

lashorquetas.jpg(24469 byte) ←Las Horquetasにはこんな看板がたっていました。

牛小屋が目の前にあって、牛がのんびりと草を食んでいる中、トレッキングスタート。
牛や牛の糞が多いからか、それとも今の時期だけなのか歩き始めからやけにアブが多い。
今日歩くトレイルは4WD車が通れる道というだけあって、きついアップダウンもなくすいすい歩けるというのに、このアブを追い払うのがストレスになる。 ストレスといえば、途中の川渡りも厄介だ。あと施錠してあるゲートを越えるのも面倒といえば面倒。

歩き始めて2時間弱、初めて出会う川渡りのポイントにでた。
靴を脱ぎ、靴と靴下をまとめて手で持って、ザックを背負い川を渡ろうとしても、どうしてもアブに気を取られてしまう。
流れが急で荒い砂利が多い場所でアブが2・3匹私の顔めがけてきた。

アブを追い払おうとしてバランスを崩す私。あっ!と思った時はもう遅かった。私の左サンダルが川に流されていく…。
私が体勢を立て直すのに必死であたふたとしていたら、前を歩いていた竜ちゃんが気付いて、サンダルを追いかけてくれた。
でも、水の中を重いザックを背負って、しかもつま先や踵をしっかり押さえるタイプのサンダルではなく、鼻緒型ビーチサンダルで駆けていくのは至難の業だ。
やはり水の流れの方が竜ちゃんの足より早く、私のサンダルも流されていってしまった。

river_gate.jpg(21762 byte) ←私がサンダルを流された川とゲートと多分セロ・カスティージョ・チコと思われる山。

overthegate.jpg(18259 byte) ←竜ちゃんはザックを背負ってゲート越え。ゲートを壊さないよう慎重に。

これからあと2回川渡りポイントがあるはずだ。でも、片足サンダルでこの先どう川を渡れというのか!
暗澹たる気分で呆然と川で立ちすくむ私に竜ちゃんがそっと自分の左足サンダルを差し出してくれた。そして竜ちゃんは左足素足のまま川を渡って行く。
ありがたや〜。

そんなこんなで無事川を渡り、ゲートも越えると、あとは単調な4WDロードとなる。 途中川沿いでしつこく追ってくるアブと格闘しながら慌しくお昼を済ませ、また延々と4WDロードを進んで15時20分に保護区の入口に到着した。

entrance.jpg(25868 byte) ←セロ・カスティージョ国立保護区入口看板。

そこから20分程歩くと4WDロードが途切れ、突然開けたリマ川沿い川原に出る。ここまでくれば今日のテントサイトはもうすぐだ。

遠くには明日越える峠「Paso Pe~non」が見える。

lima_river.jpg(22556 byte) ←突然視界が開けてリマ川の川原に出た。

paso_penon.jpg(8512 byte) ←真ん中の窪みが「ペニョン峠」。

16時15分本日の幕営地Rio Turbioのテントサイトに到着。
歩いてから今まで全く誰にも会わなかったのに、このテントサイトには20人程トレッカーがいた。彼らと話をしたり、お茶を飲んだりして過ごす。
私達より先に来ていた団体がもう夕方16時を過ぎているというのに、ペニョン峠に向けて去っていった。
彼らはこの日Rio Turbioのテントサイトに戻ってこなかったので、峠はどうやら越えられるらしい。

ウシュアイアでも、パイネのトレッキングでも「峠」にフラれている私達。
是が非でも3度目の正直で峠越えをしたいと思っていたので、越えられそうだ!と知った時は本当に嬉しかった。

さぁ、明日は峠越えだ。
峠の向こうにはどんな風景が待っているんだろう。


■12月15日 朝・小雨〜晴〜雨〜晴 Rio Turbioテントサイト〜El Bosqueテントサイト 歩行時間4時間45分 歩行距離約10km

りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

今日はいよいよ峠越えの日!
夜半から降り続いた雨は朝7時ごろになってようやく止んだ。エイっと勢いよくテントから抜け出す。
他の人も雨の様子を窺っていたらしく、皆同じようなタイミングでテントから出てきた。

朝、9時Rio Turbioテントサイトから私達が一番早く峠に向けて出発。
峠に向けどんどん登って10時10分ついに森林限界を抜けた。

paso_penon2.jpg(19209 byte) ← 森林限界を抜けたら峠はもうすぐそこ。

峠に差し掛かって、驚いたのが峠にある残雪の厚さ、長さ、大きさだ。
特に長さなどは峠の向こうまで続いているであろうから、全く計り知れない。こりゃ〜、大変なところに来てしまったのでは!?と思う。
日本なら絶対に「アイゼン装着のこと」と言われそうな場所なのである。

howlong.jpg(19209 byte) ← この先あとどれだけこの雪渓が続いているのか??不安…。

雪でまぶしいのでサングラスをかけ、最初は竜ちゃんに手を引いてもらいつつ、へっぴり腰で残雪に足を踏み入れる。
雪国生まれ、雪国育ちの竜ちゃんに言わせると、この残雪はよく締まっているそうで、まず崩れることはないだろうということだけど、 心配性な私はどうしても怖くてへっぴり腰スタイルで進む。

陥没したらどれほどの深さがあるんだろうか??
ちょっと頭をよぎった疑問を振り払うようにへっぴり腰ながら大股で足早に歩く。もう後には引けない。
戻っても雪。行っても雪ならば、先に進んだ方がいいに決まっている。

stillfar.jpg(19209 byte) ← まだまだ続きます。

11時20分頃峠のトップに立つ。
雪に慣れている竜ちゃんは、この雪の上をスキーでもするようにバランスよく滑ってどんどん下に下っていく。 私も雪にだいぶ慣れてきた!…と思ったけれど、この雪道が終わる頃に見た光景でまたもやびびってしまい、へっぴり腰となる。

sekkei.jpg(19209 byte) ← 竜ちゃんは何も知らずどんどん下に滑っていった。これは…崩れたら怪我するよなぁ。

sekkei2.jpg(19209 byte) ← うひゃ〜〜!!

なんとか残雪を抜けたと思ったら、今度は足場が悪い急な斜面が続く。大中小入り乱れた石のあるガレ場だ。
とにかく足場が崩れやすく歩きにくいことこの上ない。
足がガクガクになって、膝に力が入らない状態になってしまった。なんとかここのポイントを抜けてまた森林限界へと入った時は心底ホッとした。

shamen.jpg(19209 byte) ← 私達が下りてきた道筋。※黄色の線で示してます。

森を歩いてしばらくするとセロ・カスティージョ・チコの姿が見えてきた。

ccchico.jpg(19209 byte) ← セロ・カスティージョ・チコ。

13時45分、EL BOSQUEテントサイト到着。距離にして10kmも歩いていないというのに、ものすごく歩いた感じだ。
今日のトレイルで私達の経験値も上がったんじゃないだろうか??などとお互いの健闘を称えあいながら、夕食を食べて(峠越えのお祝いに今日は夕食にスープもつけた) その後もまたセロカスティージョチコがよく見える場所まででて、2人で満足のゆくまでその姿を眺めた。

ccchico2.jpg(19209 byte) ← セロ・カスティージョ・チコ。確かにお城みたいな景観です。


■12月16日 小雨〜曇り〜晴 EL BOSQUEテントサイト〜Alternativeルート下山〜牧場で野宿 
歩行時間9時間 歩行距離 15km前後?(推定)

りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調良好

8時10分、またしても私達が一番にEL BOSQUEのテントサイトを出発。
テントサイトを出て早々に手すりなしのスリリングな丸太橋があって、そこを渡り終えた頃からポツリポツリと雨が降ってきた。
雨に追われるように川原沿いを足早に進んでいくと、突然目の前にセロ・カスティージョ・チコがど〜〜んと現れた。すごい!!

1216ccchico.jpg(21287 byte) ← この迫力に圧倒されました。

雨脚が強くなったので、セロ・カスティージョ・チコとの記念撮影も早々に切り上げる。ここから少し先に進むとロンプラでDAY3として紹介されているテントサイトがあった。

ここで一日目のRio Turbioテントサイトで一緒になった人たちに再会。もう9時半をまわっているというのに、ここに停滞しているのはなぜだろうと思い聞いてみると、ここは朝から雨と風が強く天気の様子を 見ているということだった。

確かにセロ・カスティージョに近づけば近づくほど雨風が強くなってきている。
でも、ここで停滞するほどこの先の道は危ないのか??
ツアーで来ている団体の引率者は「ここから先セロ・カスティージョ湖を越えると、斜度がきつく、足場の不安定な場所があるんだ。そこはとても『hard』で『difficult』なんだよ。」 と私達に教えてくれた。そして、この一団は今日はここにもう1泊し、時間もないので明日Alternativeルートで下山することに決定したとも言う。

でも、まだ午前10時にもなっていない。

日没だって遅いこの時期、あと11時間は明るいというのに今日一日をここで停滞して過ごしたくないということで2人の意見は一致した。
それにここ一帯の天気は不安定でも、小高い丘を登って確認しに行くと西の空には雲がかかっておらず、ちょっとだけ青空がのぞいていた。
時間もたっぷりあるんだし、行こう!行けるところまで!!
本当に危険な道なのかは、自分の目で確認しなければ分からない。ダメならば、Alternativeルートで下山すればいいのだ。

そんなわけで私達は先を目指すことにした。

少し歩くと湖が見えた。Laguna cerro castillo(セロ・カスティージョ湖)だ。

cctillo.jpg(18457 byte) ←私達の大好きな氷河・湖・山の3点セット。虹もうっすらとかかっているのが見えますか?

ここでまた足を止めてこの風景を脳裏に、心に焼き付ける。
本当に山、湖、氷河の3点セットは私達の気持ちを惹きつけて止まない。しかも、私達の見たセロ・カスティージョ湖には虹もかかって、時々轟音を立てながら氷河や石の崩落もあった。
その時、この大パノラマを見ていたのは私達だけ。
こういう瞬間があるから、やっぱりトレッキングはやめられない。今は遺跡や観光地巡りをするよりも、自然の息吹をダイレクトに感じられる山歩きやトレッキングをして旅を続けていきたいと強く思った。

それから湖をぐるりと囲むようにあるゴロゴロとした石の転がる場所を上がり尾根にでて、セロ・カスティージョと対峙する。

frontcc.jpg(18457 byte) ←雲が邪魔して全容が見えないけど、この山もすごい迫力です。

watashi.jpg(18457 byte) ←私もセロ・カスティージョと記念撮影。尾根にいるからか、強風が吹きつけてきて寒い〜。

強風吹きすさぶ中、セロ・カスティージョを正面に見据えつつ尾根の上でお昼タイム。
風が強いのに、ここで敢えてお昼を食べる私たちも相当物好きかも…。でも風がなかったら、ここで昼寝でもしたいくらい気持ちいい場所でした。

この尾根からはセロ・カスティージョは当然ながら、セロ・カスティージョ・チコも昨日越えたペニョン峠も見える。もちろんセロ・カスティージョ湖も見下ろせる。
この光景を前に私はものすごい充実感に浸っていた。峠や川も越えてきたし、雪も渡ってきたのだ。
その気持ちは竜ちゃんも同じらしく、「ここで下りてもいいくらいお腹一杯の景色だな。」と言って御満悦の様子。

ふと、セロ・カスティージョの向かって左側を見やる。さっき、あの引率者が言っていた難しくて、危険な道はきっとここから始まるんであろう。
確かに小石の積もった足場の不安定な、かつ急な斜面であった。しかも足を滑らせたら一直線に湖行きだ。雨で足元は濡れているし、この強風は…う〜〜ん。
「…ここから下ろうか?」
どちらからともなくAlternativeルート下山案を言い出した。

そして12時10分頃、このAlternativeルートを使って下山を開始。

vss.jpg(18457 byte) ←尾根からセロ・カスティージョ村も確認できました。

さて、この下山。ロンプラにはセロ・カスティージョ山に向かい合うように立つモロ・ロッホ山を一度登ってから下りるような説明があったのですが、尾根から何かトレイルの目印のようなものは ないかと探したところ、ケルンを発見!!次のケルンは…とまた2人で探したら…ありました、ありました。
このケルンの置き方だとモロ・ロッホは登らなくてもいいらしい。モロ・ロッホもなんだか足場の悪そうな感じの山なので登らずに済むなら、登らず下山したい!こりゃー、よかった。とばかりケルンに沿って下りてゆく。
でも、この選択が正しかったのか?その後大変なことになるとは、この時は気が付いていません。

down.jpg(18457 byte) ←村を目指して、いざ下山!!

ryu.jpg(18457 byte) ←尾根上から眺めるこの景色スバラシイ!!凄すぎて3Dの映像を見ているよう。現実味がありません。

3つケルンを過ぎると、その後全くケルンが見当たらなくなってしまった。
しかし、明らかに人が通った痕跡があったのでそこを進む。ここから目視で村もIBAN~EZ川も道も確認できているから大丈夫だ!!

でも、そう簡単にはいかなかった。
私達の前に歩いた人たちも同じようなところで「??」と思ったのだろう。こっちかな?それともあっちかな?という感じで2手に道が分かれて、そしてまた一本になって、また分かれて…という あやふやな心もとない小道になってゆく。
足場も悪く、道途中から断崖絶壁となる場所もあった。

ここかな?と目論見をつけて下りた道が外れて、遂に私達はちょっと先が断崖絶壁の袋小路に入り込んでしまった。
かなり急なガレ場を下りてきた直後のことだったので、2人共がっかり。というか私は内心とても焦っていた。
また上り返そうにも、ザックごと体が持ち上がらないので、まずは竜ちゃんがザックを置いて空身で上まで戻って付近の偵察に行ってくれる。
「小高い丘を二つ越えると道らしきものがずっと下まで続いていたよ」ということだったので、その道を行くことにする。

まず私のザックをあげて、竜ちゃんのザックをあげて、私も上がろうとする。でも、苔むしたとっかかりのない大きな石に阻まれて、足が滑って上がれない。
竜ちゃんの手に私の全体重を預けた。運が悪ければ二人とも崖の下に叩きつけられてしまうかもしれない…。
でも、竜ちゃんなら絶対私の手を離さないだろう。
がっしりと力強く引き上げられて安全な場所に立った時、私は泣きべそをかいていた。
一人だったら立ち往生したに違いない。そう思ったら突然怖くなったのだ。

二つ先の丘まで竜ちゃんに手を貸してもらいながら進むと、また人が歩いたと思われる場所にでた。
今度こそ大丈夫だろう。

しかし、下るにつれてまたしても「?」と思うところに行き当たってしまった。
ただ、絶対に川が近くにあるということも分かっていたので、遭難者の定石通り川沿いに下山することにした。
「遭難」…そう私達は遭難しかけているのかもしれない。そう思ったが絶対に口には出さなかった。言葉にしてしまったら、言霊がその言葉を本当のものにしてしまうかもしれないと思ったからだ。私は変なところで迷信深い。

でも、私達は闇雲に歩いているわけではなく、コンパスで進むべき方向、今いる大体の場所などは分かっており、食料も予備を含めてあと2日分あったので比較的落ち着いていた。
大丈夫、きっと大丈夫。そう自分に言い聞かせて更に下りていく。

しかし、道なき道を勘を頼りに木や草を掻き分けて進むのは想像以上に大変だった。おまけに多数のアブも付きまとってくる。
苦労の甲斐あって、やっと小川にでる。この川は尾根上から確認した、あのIBAN~EZ川に繋がっているはずだ。
もう川から離れずに歩いていこう。

しかし、竜ちゃんが川で思いっきり転んでしまう。その後も膝から折れるようにまた転んでいた。
気が付いたら朝8時から、今まで(午後4時位)お昼休憩の30分を除いて歩き通しだ。
珍しく竜ちゃんから「今日はここでテントを張る?」と提案してくる。道に迷うたびに偵察に行ってくれる竜ちゃんは私よりも歩いているので、きっと疲れているだろう。
竜ちゃんの足が言うことを利かなくなりつつあるのを考慮して、あと2時間だけ歩く。と決めてお互い励ましつつ進んだ。

17時頃、私有地だと思われる目印「柵」を見つける。川はこの柵の内側を通っているので、柵を越えてまた進む。
しかし、川はどんどんか細くなって、湿地帯に吸収されていく。その先は鬱蒼とした森。ここで川を追うのは断念した。
柵があるということは人里が近いということ。今度は柵伝いに進んでみる。
とそこに芝生が生い茂る場所を発見!!しかも、小川もある。この時点で5時半。この先こんなテントを張るのに最適な場所が見つかるかどうか分からない。
それになによりも2人ともくたくただった。ここでテントを張って、パスタを茹でて食べる。

一時は本当に遭難か!?と思ったけど、(そしてまだ迷ってはいるけれど)地図で確認すると、もう今日下りてきたような崖もこの先なさそうだったし、それに何より人工物である「柵」の中に入った。
よかった、よかった。とにかく今は2人とも無事でこうしてパスタを食べている。
…と思ったら緊張の糸がプツリと切れて涙がでてきてしまった。いけない、いけない。この涙は竜ちゃんに見せると心配するだろう。

夕食後、テントで休んでいると、どこからか口笛が聞こえた。慌てて外にでたら、ここの地主さんらしき人が立っていた。
「Hola〜〜〜!!」。
このおじさんに下手くそなスペイン語と身振り手振りであの山から下りてきて、道に迷い、歩き疲れてここでテントを張らせてもらっていることを必死で伝える。
どうやら伝わったらしい。おじさんが「今日はここで休みなさい。この小川の水も使っていいから。」と優しく言ってくれる。
ついでに村への道も「ここを斜めにまっすぐいけば、1時間半で村に着く」とも教えてくれた。

村の近くにいる。明日は村へ帰れる。ということが分かり、二人とも狂喜乱舞したことは言うまでもありません。
希望の光が見えたので、その夜は心安らかに眠りにつくことができました。

lostway.jpg(18457 byte)←私達が道に迷いつつ下りてきた山の斜面。大変だった。


■12月17日 時々小雨がぱらつく曇り空

りゅうじ:体調良好
ひろこ:体調不良

朝起きて、昨日おじさんに教えられた通りに進むと、おじさんの住む家があった。
おじさんの土地にテントを張らせてもらったこと、川の水を使わせてもらったことに対して2人で丁寧にお礼を言う。
ここからは村まで1時間。

vcc2.jpg(16194 byte) ← 道を下っていくと村が見えました。ここまでくれば安心です。

村が見えたので、二人とも力強い足取りで進む。
そして10時半、やっとセロ・カスティージョ村に到着しました!!無事帰還です!!!!!

eat.jpg(16194 byte) ← 到着して安心したらお腹がすきました。とりあえずバス停で腹ごしらえ。パスタ茹でてます。

たった4日だというのに、本当に内容の濃い時間をこのセロ・カスティージョで過ごしました。
道迷いはもう絶対経験したくないですが、道迷いに遭ったことで、相方の精神力の強さや自分が意外と逆境に耐えうる心のキャパを持っていると気が付いたことも大きな収穫です。

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さようなら、セロ・カスティージョ。
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